2015/09/08| 七福萬来
(日本語) 道徳の時間
小学校時代 ”道徳” の授業はとても楽しみでした。
それは授業の内容が、紙芝居であったりお遊戯みたいなものであったり、勉強とは異なるものだったからです。
その何気ない授業から、人として、集団としての考え方や行動を学んだのでしょう。
私の会社では、今年になってから業務管理規定の見直しをしています。
業務管理規定とは、会社の組織であるとか、指揮系統であるとか、社内清掃や防災訓練に至るところまでをマニュアル化したものです。
中には制服の着こなしや朝礼のやり方、消費者クレームの対応まで細かく規定していきます。
マニュアル嫌いな私にとって苦痛な事ですが、ある程度の決まり事を作っておかないとお客さまや従業員を守ることができなくなるかもしれない時代になっています。
このマニュアルを作るにあたって、私一人ではとうてい無理なので、知人をアドバイザーにお迎えました。
そのアドバイザーは、温厚で的確で、話をかみ砕いてくれる能力に長けた方で、3年後に発行される小学生の”道徳”の教科書作りのメンバーにも選ばれています。
月に2~3度ほど打ち合わせのためにご来社いただくのですが、雑談時に出る ”道徳” の話がとても面白いのです。
例えば、いつも色鉛筆を忘れてくる友だちがいるとします。
その度に誰かが色鉛筆を貸しています。
ある日自分に 「色鉛筆を貸して」 と声をかけてきたときに あなたはどう言いますか? という内容。
困った人には貸してあげるという生徒もいれば、貸さないほうが次から忘れないで済むという生徒もいます。
貸してあげるのが正しいことなのか、貸さないことが正しいことなのか、判断できませんよね。
なのに、その答えに先生は点数をつけなければならないが今の教育現場だというのです。
ええっ~!って感じでしょ。
点数の根拠ってやはりマニュアルがあるのでしょうか?
考えてみれば、道徳の授業って、先生によりますよね。
規則漬けの中で、子供たちの発想力という ”のりしろ” をいかに生かせられるかが ”道徳” じゃないかと思ったりしています。
ちなみに私の解答は、『長い色鉛筆から順番に貸してあげる。理由は同じ長さにしたいから。』 です。
昔、好きだった道徳の授業ですが、今も知人のおかげで好きかも。
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