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私版!或る「小倉日記」伝

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巷で話題になっているのは 『ドローン』 という無人小型ヘリコプター。

昔でいえばラジコンのようなもの。

『ドローン』 にカメラを搭載し撮影された映像は新鮮で、映画ドラマをはじめとして活躍しています。

ただ首相官邸屋上にこの 『ドローン』 が発見されてからというもの、国は使用規制をかけようとしています。

許可制とか、地域制限とか・・。

野放しにすると、国にとって都合が悪くなるからでしょう。

そんな中、日曜日は九州・小倉に行ってきました。

小倉に行った目的は、「松本清張記念館」 を見たかったから。

なぜ小倉かというと、松本清張氏の出身地だから。

松本清張さんの作品は、単に推理小説ということでなく、作品からにじみ出る 訴求力に興味がそそられるのです。

特に権力にメスを入れることや、人間の奥底にある心理をあぶりだすところが、今だに人気がある理由だと思います。

記念館に行って気がついたことがあります。

それは松本清張さんの作品名にやたら 『黒』 という文字が多いのです。

「黒い画集」「黒い樹海」「黒い福音」「黒い空」「黒い血の女」「黒の回廊」「黒の様式」「黒革の手帳」「黒地の絵」「日本の黒い霧」など等。

全部の作品を読んでいるわけではありませんが、松本清張作品の 『黒』 は、『ズルイ』 とか 『誤魔化す』 とかの意味が強いように思われます。

「日本の黒い霧」 は、小説でなく戦後日本で起こった数々の未解決事件を松本清張自身の取材で推理しているノンフィクションです。

例えば ”帝銀事件” や ”国鉄下山総裁謀殺事件” 等で、松本清張氏はどの事件も一貫としてアメリカGHQの関与を指摘しています。

「黒地の絵」は、朝鮮戦争が勃発した1950年の小倉が舞台になっています。

当時小倉は、アメリカにとって韓国軍を支援するための拠点となっており、多くの米兵が駐留していました。

その米兵が、駐留地を脱走し小倉市内に繰り出し、酒を盗み日本人女性を暴行した事件を元にした小説です。

多発する強盗や暴行した米兵に対して日本の警察は手出しできず、ほとんどが罪に問われることがなくあいまいな結末になっています。

つい最近までの沖縄の現況とよく似ています。

都合が悪くなって煙に巻くことを 『ドロン』 といいますがまさにその通りです。

『ドローン』 と 『ドロン』 似ているような、近いような・・。

思わずニヤっとした 私の或る「小倉日記」伝 でした。 

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