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(日本語) 先生のこと

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その先生は怖かった。

その先生は威圧感があった。

ビンタされた数は数えきれない。

でも恨んだことは一度もない。

その先生はエコヒイキをしなかったから。

はじめてその先生と出会った時、私は中学に入学したての12歳で、先生は25歳。

体育の先生だった。

社会人でありながら、国体出場する現役選手でもあった。いわゆる熱血先生だった。

その先生にあこがれて教師を目指した生徒も数多く知っている。

学校を卒業してからずっと交流のあったのはその先生だけだった。

ゴルフにも一緒にいった時、「お前の通信簿体育3だったが、ゴルフは5だな。」とほめてくれて、うれしかった。

こんなこともあった。

「生徒に地場産業の話をしてくれ。」と、講演の依頼だった。

先生に頭を下げられると断れず、引き受けた。

謝金を出されたので断ると 「生意気言うんじゃない!」 と 怒られた。

その先生に会うたびに、ほっぺたがあたたかくなった。

ビンタされた後ほっぺたがはれ上がるあたたかさ と 緊張した時赤ら顔になるあたたかさ が入り混じる。

ある時、先生は離婚した。

離婚理由は、四人の子供が全員女の子だったから。その先生は婿養子だった。

その先生に会うたび、顔がほころぶ。

先生も笑顔で迎えてくれる。

その先生が、昨夜亡くなった。

無性に涙が出た。

加藤先生、ありがとうございました。

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