2013/10/19| 七福萬来
(日本語) 気がつけば秋
気がつけば10月後半。
気がつけば半袖では寒くなっている。
気がつけばもうすっかり秋なのです。
10月の思い出話をひとつ。
学生時代、東京近郊に住んでいた時に感じたことは、太陽が出ている短さ。
私の住んでいる今治では、この時分日が暮れかかるのが午後5時以降に対して、東京は午後4時を過ぎると暗くなってくる。
・・・早ゃ!・・・
10月は文化祭の準備に追われる毎日で、寄席小屋を立ちあげるために、ペンキ塗りが日課でした。
毎日学校内の部室外で、日没までベニヤ板にペンキ塗りをするのですが、日が短いと枚数が上がりません。
文化祭まで日が迫ってくると、空いたペンキ缶に余った木材を入れ、火を灯し、その灯りで準備をしました。
1年生と2年生はペンキ塗りで、現役OBの4年生は日が暮れると、ペンキ缶のたき火で鍋を作ってくれます。
今から思えば大した具材を入れているわけでなく、味付けは塩と味噌ぐらいでしたが、これが美味いのです。
「お~い。そろそろ手を休めろや。鍋ができたぞぉ~。」
鍋奉行が呼びに来ます。
部室には何故か日本酒がいつも2~3本あり、紙コップにお酒を注ぎ、酒盛りが始まるのです。
鍋は、やはり先輩から箸をつけます。
学食のプラスチック食器に割り箸、鶏肉なのか豚肉なのかわかりませんが、肉は入っていたような気がします。
ただ食べるのでなく、そこは落語研究部。必ず共通の話題で盛り上がるのです。
例えば、100円ライターを持って一言。
「ライタ(泣いた)赤鬼。」と言う奴もいれば、自分のもみあげにライターを押し当て 「尾崎紀世彦」 と奴もいる。
二つ持って 眉毛に押し当て 「郷ひろみ」 と言う奴も入れば、 赤いライターを鼻の穴に入れる格好をし「鼻血ブー」と言う奴もいる。
日が短くなってくるこの時分、毎年あの鍋を思い出すのです。
気がつけば笑顔があったような・・。
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