2012/12/06| 七福萬来
(日本語) あいててよかった。
夕方の便で松山から東京に入り、ノロウイルスに感染した息子の部屋に着いたのは20時半でした。
「おい、大丈夫か?」
食べさせてやろうと買ってきたリンゴをむいでやろうと思ったのですが、なにせ部屋が散らかっていて、足の踏み場もないぐらいなのです。
簡単に片づけをし、部屋干ししていた洗濯ものを取り込み、たまった衣服を洗濯機に入れ、炊事場の食器を洗い、掃除機をかけ、リンゴをむいでやったのがすでに2時間後でした。
「じゃあ、これから病院に行こう!」
フラフラになった息子を連れ、タクシーをつかまえて、24時間体制の国立医療センターへ。
息子の部屋から約10分の距離にある、この病院はすごく立派でした。
すでに夜遅くなので、正面玄関でなく、夜間窓口という別な入口から入ったのですが、隣の入り口には緊急救急センターと書いてありました。
・・・医療センターの中に緊急救急センターって?センター オブ センター?・・・
変なところに興味が出てくるところは、私の性分なのでしょう。
受付を済ませ、診療まで廊下で待っていると、廊下の奥に24時間営業のコンビニがありました。
興味本位で店を覗くと、衣料品の品ぞろえが豊富で、特にパジャマ・下着の種類が多くあり、急に入院しなくてはならなくなった患者・関係者への配慮がされているのです。
“あいててよかった” というキャッチフレーズがよみがえります。
さて息子の方はというと、やはりノロウイルスに感染した可能性が高いという診断でした。
限定できないのは、感染検査は保険診療適応外ということで、時間とコストがかかるので、状況だけで断定してもよいとの先生のススメだったのです。
研修医と消化器系の先生二人が、説明をしてくれました。
どちらも若く、歌手の”コブクロ”のようにも見えるし、マジシャンの”ナポレオンズ”のようにも見えました。
というのも、一人の先生は白衣の襟を立てていたのです。
「先生、なかなかオシャレですね。」 というと 「ありがとうございます。」とほめられてうれしそうな先生。
薬もらって、病院を出て、息子の部屋に戻ったら日付が変わっていました。
すぐにベッドにもぐりこんだ息子を確認し、私はタクシーでホテルへ戻ったのですが、安堵のなかに、「あいててよかった」 と、思ったのでした。
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