2012/10/16| 七福萬来
(日本語) 祭りのチカラ
こないだの日曜日は私の町内のお祭りで、小学生のこども神輿(みこし)が、一軒一軒町内を回ってきました。
「こどもみこしやってきましたぁ~。」
玄関から庭に出ると、お揃いの半纏(はんてん)を着た可愛い子供たちが10名程いました。
「ごくろうさま。威勢よくお願いしますね。」
その言葉を聞いて、威勢のいい掛け声とともに、神輿を上下に振ってくれます。
「わっしょい、わっしょい、わっしょい、わっしょい・・」
ご祝儀を上げると 「ありがとうございました。」 と、これまた威勢よくお礼を言ってくれます。
我が家に、小さなご利益(りやく)をいただいた感じがしました。
お祭りも全国各地様々で、春祭り、夏祭り、秋祭り、冬のお祭り・・。
威勢のよい喧嘩祭りもあれば、雅な祭り、泥んこ祭りや、裸祭り など等。
それこそ江戸時代以前、身分制度があった時代は、祭りと言えば年に一度だけ許される貧乏人の祭典だったかもしれません。
落語にも祭りを題材にしたものは多くあり、「佃祭(つくだまつり)」は好きな落語のひとつです。
江戸は神田で小間物屋を営んでいる祭り好きの次郎兵衛は、佃島に祭りを見に行き、時間を忘れて楽しんでしまいます。
あわてて最終の舟に乗り込もうすると、袖を引っ張る女性のせいで舟に乗れませんでした。
がっくりした次郎兵衛にその女性は涙ながらに話し始めます。
3年前に奉公先のお金をなくしてしまい、身を投げて死のうとしたところ、見知らぬ人に5両のお金を恵んでもらい、命が助かったとのこと。その見知らぬ人が次郎兵衛だというのです。
次郎兵衛も確かに記憶があり、その女の亭主が漁師なので舟をいつでも出せるのでゆっくりしていってほしいと言われます。
次郎兵衛もいつでも帰れると思い、女の家に行き接待を受けていると、最終の渡し船が定員オーバーで沈没してしまい、全員死んでしまったと一報が入ります。
今度は女に命を助けてもらったことを感謝する次郎兵衛。
一方、次郎兵衛の妻と長屋の連中は、てっきり次郎兵衛が沈没した舟に乗っていて死んでしまったと思い込んでいます。
仮通夜の最中に次郎兵衛が戻ってきて、これまた大騒動になるという噺。
“祭り” というのは、不思議な力があるのです。
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