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地獄の沙汰

初めて尋ねてきた若いセールスマンは必死に商品をすすめます。

「どうでしょうか?」

「どうって言ってもねぇ~。ちなみにあなたってどこの出身?」

「和歌山県の龍神村です。」

「龍神村?!ほぉ~。横溝正史の小説に出てきそうなところだな。」

私の興味が急にふくらみ、ここから話は盛り上がっていきます。

「はい、ミステリー小説によく登場させていただいています。」

今は市町村合併により、和歌山県田辺市龍神村ということですが、集落人口は、4000人であるということ。

「高校は田辺市中心部の学校に通っていたの?」

「いや私の場合、実家が寺の住職でして、高校は京都のお寺系の学校でした。」

「ふ~ん、じゃあいつかは住職になるんだ?」

「はい、そのようになると思います。・・で、この商品ですが・・」

「商品の説明はいいよ。でさ、住職の免許は取っているの?」

「はい、一応・・」

「じゃあ、法要が終わった後、説教もできるんだ。」

「いやそれは、経験を積まないとなかなかできません。それに一番ランクの低い身分ですので。」

「ランクが低いって、檀家さんにはわからないじゃないか?」

「着ている袈裟の色でわかるんです。」

「ほぉ~、袈裟のカラーが階級なんだ。なるほどね。確かにそりゃ見た目でわかるわな。身分を上げるには、経験年数なの?」

「いやそうじゃありません。」

「試験があるの?」

「いやそうじゃありません。」

「ということは・・これか?(手でお金を示すサインを出す)」

「そうです。これです。(同じようにサインを出す。)」

“地獄の沙汰(さた)も金次第” という言葉は、本当みたい。

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