2011/08/24| 七福萬来
怪談・牡丹燈籠
三遊亭円朝作 「牡丹燈籠(ぼたんどうろう)」 という怪談噺があります。
長編落語で、語れば20時間はかかるといわれています。
落語では、その中の一部 「お札はがし」 というところを多くの人が演じています。
“からーんころーん。・・・からーんころーん。”
幽霊が出てくるシーンの有名なセリフです。
殿様の娘・お露(おつゆ)と浪人・新三郎は、一度会っただけなのにお互いに惚れあいますが、気軽に会いに行けません。
新三郎に会いたい一心のお露でしたが、恋わづらいになり死んでしまいます。
そして、新三郎のもとに幽霊として出てきて、最後には新三郎をあの世へ連れて行ってしまいます。
ここから物語は、お露をとりまく様々な登場人物によりいくつもの話が同時進行でつながって行くのです。
先日この噺を歌舞伎で演っているのをテレビで見ました。
どのように物語を進めていくのか、興味深く見ましたが、怪談というのをクローズアップしているので幽霊の出てくるところまでで完結しませんでした。
この「牡丹燈籠」という物語は、実は奥深い噺で、恋・嫉妬・お金・欲望が絡み合い、人と人とがつながっていく因縁(いんねん)がこの物語のテーマです。
この噺を全編知った時は、驚きました。
幽霊というのは、人の欲望を演出するためのエッセンス(味付け)であり、物語の真意は別なところにあったのです。
別な解釈をすると、人は一人では生きていけないということになるのでしょう。
立川志の輔さんの 「牡丹燈籠」 が、今週末にWOWOWで放送されます。
長い噺なのですが、前半部分を ”ためしてガッテン” 流に解説し、後半部分を落語で語るというスタイルで、2時間半であまり知られなかった「牡丹燈籠」を最後まで演ります。
私も5年前に初めてこのライブを見て、感動したのを覚えています。
興味のある人はどうぞ。
さて余談ですが、日本では幽霊とお化けという似たような言い方があります。
その違いを落語流に説明すると、
美人が亡くなると幽霊になり、そうでない人が亡くなるとお化けになるそうです。
ガッテン!していただけましたでしょうか。
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