(日本語) もうひとつの”志の輔らくご”

2011/08/01| 七福萬来

Sorry, this entry is only available in Japanese.

立川志の輔師匠からお誘いを受けて、岡山の東児が丘マリンヒルズゴルフクラブでプレーをしました。

このゴルフ場は、石川遼選手が１７歳のアマチュア時代にプロを抑えて優勝し、一躍脚光をあびたところです。

日差しの強い中プレーをしたのですが、志の輔師匠は帽子をかぶっていません。

「志の輔さんは暑いの平気なんですか？帽子をかぶっていないから・・。」　と、素朴な疑問を投げかけると、

「帽子をかぶると日焼け跡が額に残って、高座に影響があるんで、かぶらないんだよ。」とのこと。

・・・なるほど！芸人って色んなところに気をつけているんだな。・・・

志の輔師匠はゴルフが大好きで、いまや地方の公演ではゴルフとセットにしている事が多いそうです。

ただ今回のゴルフはワケありでした。

志の輔師匠の大ファンで、このゴルフ場のオーナーの奥さまが今年１月にお亡くなりになりました。

昨年末にこのゴルフ場でご一緒にプレーされ、もう一度ゴルフしましょう。と約束したのですが・・。

この日は本来ならば奥さまと一緒にプレーするはずだったそうで、それが叶わなくなり、志の輔師匠は奥様へのお悔やみをかねてのプレーだったのです。

ゴルフが終わり、岡山市内で師匠と夕食もご一緒したのですが、夕食の場所もこの奥さまに以前連れてきてもらった場所だそうです。

“一扇”　という日本料理店で、岡山では超有名な店です。

「河北。これちょっと見て。」

食事をしながら、志の輔さんは自分の携帯電話に入れてある写真を見せてくれます。

その写真は、お亡くなりになられた奥さまの嫁ぐ前の写真で、とても美しい顔をしています。

さらに、「もう一枚ね。」　と、見せられた写真は、病室の壁に貼られた年間スケジュールでした。

余命幾ばくかもない事を宣言された奥様は、気持ちを前向きにするために、そのスケジュール表に楽しい事の予定を書き込んでいたそうです。

そして１２月の欄には　”志の輔師匠とゴルフ　♡　”　と書かれていました。

「訃報を聞いた時は、さすがに心が折れたよ。」　と、師匠は、ぽつり。

ゴルフの前日に行われた岡山での公演は、いつもとは違った空気がありました。

その日の演目は、ハナコ　と　新・八五郎出世　。

幾度となく志の輔さんのライブを見てきましたが、この日は客席から出る空気感でなく、演者から出てくる空気感が強かったように思えました。

「今日の師匠のライブは、すごかったです。なんというか、いつもと違うというか・・。」　

終演後、楽屋にご挨拶に行った時、思わずそんな言葉をかけてしまいました。

志の輔師匠は、奥様との思い出をたどるために、ゴルフと夕食は同じ場所に来たかったのでしょう。

もうひとつの　”志の輔らくご”　でした。

Recent entry

Comments