2011/06/21| 七福萬来
(日本語) 二十四の瞳
この島に、”島宿 真里(まり)” という宿があります。
ご縁があり、客室の備品をお手伝いすることになり、その打ち合わせに参上したのです。
高速道で高松まで行き、そこからフェリーで約1時間。
小豆島にはいくつかの港があり、大きな港は土庄港ですが、私が向かったのは草壁港です。
その日は梅雨前線が活発で、今治を出発するころは大雨で、時おり雷が鳴っていましたが、小豆島に着くと雨はやんでいました。
島の風景は、時間が止まったかのように、のんびりとしていました。
宿主に案内された客室のひとつひとつには趣があり、窓から見える緑が雨露に濡れ、いい感じです。
この宿は客室が7部屋あり、その稼働率はほぼ100%に近いといことです。
「えっ!ホントですか??今日は月曜日ですが、今日もですか?」
「いえ、今日は1部屋空いています。」
「1部屋だけ?!すご~い。」
小さな島だからこそ隠れ家になり、非日常感が生まれ、おそらく1度宿泊すると、こだわりの別な部屋にも泊まってみたいと思うのでしょう。
どうして人気があるのでしょうか?との質問に、料理に、地元産の醤油、オリーブ、野菜、素麺をふんだんに使っているのが愛されている理由と言っていました。
でも、私は店主の人柄が一番じゃないかと思います。
素朴で、何気ない気配りが、とても温かく感じられました。
帰りに、小豆島特産のオリーブオイルとハンドクリームの手土産を渡された時には、やさしさという重さが手の中に残りました。
帰りに少し時間ができたので、壺井栄さんの小説 「二十四の瞳」 の舞台となった岬の分教場を見てきました。
懐かしい、木造作りの学校です。
その昔、新任のおなご先生こと大石先生が、小豆島にある岬の分教場へやってきます。
12人の子供たちとの絆を刻みますが、やがて戦争へ。
物語りを回顧しながら、岬の分教場をしみじみと眺めました。
小さな島、小豆島だからこそ、名作 ”二十四の瞳”が生まれ、そのエッセンスは島民に引き継がれているのだと確信しました。
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コメント一覧
コメントありがとうございます。
「八日目の蝉」って、小豆島が舞台なんですね。
今度見てみます。
いま話題の映画『八日目の蝉』の舞台も小豆島でしたよ。
切なくて心温まるいい映画です。