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大人の舌

久しぶりに息子と食事しました。

夕方渋谷で待ち合わせて、百貨店のレストラン街にあるお寿司屋さんへ行きました。

「うめぇ~」

美味しそうに食べてくれることは、親としてうれしいものです。

「お父さん、オレはじめてウニが美味しいと思った。」

入ったこのお店はネタもよく、美味しいお寿司を食べさせてくれます。

「お父さん、ガリもうまい。」

なるほど、うまいお寿司屋はガリもひと味違うのかもしれませんn。

「いゃ~、お茶までうまい。」

「おいおい・・。」

今まで何を食べていたのか心配になるほどです。

・・・こいつ、ひょっとして?・・・

美味しい店は、出すものすべて美味しいものですが、ウニ、ガリ、緑茶、あまり子供が好まないものをおいしいと感じるということは、息子の舌も進化しているのかもしれません。

大人の舌になってきているということです。

そう考えると、私にも経験があります。

私は子供のころ、食べ物の好き嫌いが激しく、玉ねぎ、ピーマン、シイタケは苦手の三大野菜でした。

私の母は、何とか食べさせようと、チャーハンやオムレツなどにそれらの野菜を小さく刻んで入れます。

でも私は、器用に細かに刻まれた野菜を取り分け、口に入れないようにしていました。

その取り分け方は、まるで職人技のようです。

それが、高校3年生のある日、夕食が終わって、風呂に入っている時に突然 「ピーマン食いて~」 と思ったのです。

苦いピーマンが、こんなに美味しいものだと感じたのは、私の舌が変わったからでしょう。

息子も同様でないかと、美味しそうに食べている姿にふと思いました。

一緒に酒が飲める時は、近いかも・・。

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