2010/11/03| 七福萬来
ミュージカル「正岡子規」
近代文学の礎を築いた正岡子規という人物、みなさんもよくご存じだと思います。
彼を主人公にした、ミュージカル 「正岡子規」 を見に行きました。
松山市郊外にある ”坊っちゃん劇場” での公演です。
この ”坊っちゃん劇場” は、愛媛県、四国、瀬戸内海の歴史的・文化的伝統を舞台芸術で表現する劇場として、5年前にできました。
毎年1年間のロングラン ミュージカル公演で、今回のミュージカル「正岡子規」は、5作目になります。
脚本・演出は当劇場の名誉館長でもある、脚本家・ジェームス三木さんによるものです。
演劇好きの私にとっては、格好の芝居小屋です。
物語は、とっくに寿命はつきているはずなのになかなかあの世に行かない子規に死神たちが手を焼くところから始まります。
死神たちは子規の人生や日常を調べ 「子規は十七文字のまじない(俳句)を唱えているから不死身なのだ」 と判断します。
そして、ついには子規に弟子入りし、俳句を学ぼうとします。
夏目漱石、高浜虚子、伊藤左千夫などの当時の近代文学を築いた人たちもまじり、奇想天外でもあり、また家族愛にあふれた秀作ミュージカルでした。
舞台の中で子規は、亡霊で出た松尾芭蕉にこう言います。
「あなたの作品が嫌いなわけではありません。ただまわりの人があなたの作品を美麗化しすぎて、新しい発想の文学を作ろうとしないのです。」
・・・そうかも!現代でもそれはいえる!・・・
古い考え方の人は、新しい発想を否定しがちです。
言い換えれば、新しい発想を生み出す事ができないから、それができる人を潰そうとするのかもしれません。
子規の妹である 正岡律は、子規が結核になったので、嫁ぎ先から離縁されます。
古い風習での悲しい出来事です。
舞台終了後、ロビーにて役者さん達が全員見送ってくれました。
まるでニューヨークのオフブロードウェイのようです。
正岡律役の吉田葵さんに近寄り、
「あなたはきっと幸せになれるからね!」 と言ってしまいました。
すると、吉田葵さんは両手で私の手を握ってくれて、お礼を言ってくれました。
・・・カワイイ!・・・
ここでしか見れない本格ミュージカル「正岡子規」 今年いっぱいの公演です。
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