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(日本語) 汚れなき悪戯

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大学時代、私の在籍していた落語研究部の合宿では、1年生が先輩の食事を作りますが、おにぎりの中身に、練りがらしを入れたり、ワサビを入れたり、多少の悪戯(いたずら)をします。

その行為は犯人が追及されることはなく、『シャレ(洒落)』として許されるのです。

そのおにぎりを我慢しながら食べている、負けず嫌いの先輩がいます。

涙目になっているのに、

「おいしいねぇ。」 と言っています。

これらはすぐわかる悪戯ですが、あとで気がつく悪戯もあります。

気がついたときは、いい訳できない状態になる高度なモノです。

私が得意先である通販会社へ営業に行った時のこと。

「タオルについて何かご不満なところはありませんか?」

ご担当者は、お客様のお声をまとめたレポートを何十枚か持ってきてくれ、それを確認しながら、

「お喜びもお声が多いですよ。」 と言ってくれました。

そのうち

「あれぇ?・・河北さんこれちょっと読んでもらえますか?」

手渡された、紙にはお客様からの手書きFAXがついていました。

それを読んでみると、

『いつもいい商品を送っていただきありがとうございます。

先日会報誌を読んでみますと、御社のタオルは、今治の七福タオルさんが作っていたのですね。

七福タオルの河北さんには、学生時代大変お世話なりました。

今度お会いになったらよろしくお伝えください。

“○○子” と言えばわかると思います。』

・・・アイツ!・・・

一発でわかりました。

「河北さんもなかなかですね。」

「違います!いや、その・・こいつ・・いやこのお客様は・・。」

言い訳できず、しどろもどろになりました。

この”○○子”さん、落語研究部の仲間です。

必ず私の目または耳に届くと思って書いたんでしょう。

言い訳できない私を想像し、『シャレ!シャレ!』と笑いながら・・。

シャレはキツイけど、ハイテクニックな悪戯です。

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