2016/03/12| 七福萬来
(日本語) 傘がない
東日本大震災から5年。被災地の復興を心よりお祈りいたします。
1970年代にヒットした井上陽水さんのヒット曲 『傘がない』
他愛もない日常の中、雨の中を濡れながら恋人に会いに行く心情を綴った内容と哀愁漂うメロディです。
都会でのできことやテレビ越しに見える政治家など他人ごととしての表現は、フォークソングらしいといえばそうですが、現代にも当てはまるところがすごい。
最近マスコミを騒がしている 『保育園落ちた、日本死ね』 という匿名のブログも近いものがあります。
政治家に対して 「不倫してもいい、賄賂もらってもいい だから保育園作ってくれよ!」 いうくだりはまさにそうです。
私は、地元愛媛・今治にいる時は移動に車を使うことが多く、傘をさすことはめったにありません。
傘を持ち歩く習慣がないといった方がいい。
それが出張に出かけると傘は常備品となりますが、邪魔になるので降った時にコンビニで買えばいいという考え方になる。
それが数年前、春風亭昇太さんと1泊2日の小旅行に出かけたときのことです。
2日目の朝、雨に降られ、二人とも傘を持っておらず、目に入ったコンビニでビニール傘を買おうとした時、昇太さんがこう言ったのです。
「折りたたみ(傘)にしようぜ。これだったら捨てずに使えるから。」
傘は使い捨て でなく 使いまわすもの という考え方からいくと、持ち歩き便利な折りたたみ傘の方がいいに決まっています。
それで折りたたみ傘を買い、その日はもちろん、それから数年経ちましたが、折りたたみ傘くんは、働く、働く。
日本各地はもちろん、パリ、ロンドン、ミラノ、ソウル、シンガポール、香港、台湾と世界をまたにかけて大活躍したのです。
でも、お別れの時がやってきました。
先日、雨の東京出張時、地下鉄の駅まで彼(傘)を使い、電車の中では小さくたたみ、目的地駅に到着しました。
そしてホームにあるベンチに荷物を置き、初めて行く得意先の担当者の部署、名前を手帖で確認してから改札を抜け、長い階段を駆け上がると、地上は雨。
そこで相棒(傘)の登場なのですが、彼(傘)はいない。
・・・ん?!なんで・・・
記憶を逆回転させると、ベンチに置き忘れた可能性が高いことを知る。
時計を見ると、約束の時間が迫っている。後戻りできない。
雨に濡れながらまだ見ぬ得意先を目指すことを選択。
井上陽水さんの 『傘がない』 が頭の中に響く。
♪ 行かな~くちゃ 君にぃ~逢いに行かなくちゃ 雨のぉ~中を行かなくちゃ 傘がない~
その後のことです。
コンビニで折りたたみ傘を買おうとしたら売っていませんでした。
コンビニでは売れないアイテムなのかもしれません。
そう思うとまた哀愁漂うメロディが私の頭の中でリフレイン。
♪ 傘がない~
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