2013/05/28| 七福萬来
紙入れ
元アイドルの女性タレントが亭主のいない隙に若い男を自宅に持ち帰り、早朝仕事から帰った亭主に見つかったというニュース。
事実かどうかわかりませんが、なんともはや人間っぽく、同じような話は落語にもあり、”紙入れ” という噺。
貸本屋をやっている若い新吉は得意先の女将さんに 「今晩、亭主がいないから家に来るように」 という手紙をもらい、嫌々行きます。
新吉は、可愛がってくれている旦那さんに顔向けができないからこんな関係を続けるのはやめたいという。
が、私と別れるなら あることないこと旦那に告げ口をする と女将さんに言われ、その晩枕を一緒にするのです。
夜中・・帰ってこないはずの旦那が突然帰ってきました。
慌てる新吉に対して、落ち着いて裏から逃がす女将さん。
うまく気づかれずに逃がしてもらった新吉ですが、紙入れ(財布)を忘れてしまったことに気がつきます。
旦那からもらった紙入れだし、その紙入れの中には女将さんからもらった手紙が入っている。
新吉は、きっと今頃、旦那が紙入れを見つけ、中身の手紙も読まれていることと観念しますが、翌朝確認するために旦那の家に行くのです。
いつもと様子が違う新吉に対して旦那は何があったのか尋ね、新吉は夕べの事を友人の事として話します。
「その旦那に見つかったのか?」 「・・・見つけましたか?」
「それで、その手紙、読まれたのか?」 「・・・読みましたか?」
ちぐはぐな会話をしていると、そこに女将さんが現れて話に加わり、新吉に助言します。
「自分の亭主のいない隙にいいことしようとする女だろ?その辺のところはぬかりがないと思うわ。帰ってきた亭主を家にすぐに入れないで、そこに紙入れでも忘れているものならしまっておいて、あとでこっそり渡すと思うけどねぇ~。お前さんそう思わないかい?」
「そうだともよ!だいたい新吉!自分の女房寝取られるような間抜けな旦那だろ。紙入れを見つけたところで、そこまでは気がつくめぇ。」 という オチ。
立川談志師匠の口演では、新吉と女将との描写が凄かった。
「二人の笑い声が止まったかと思うと猫が水をなめるような音に変わり・・やがて赤子がすすり泣くような声が聞こえ始め・・。」
私も大学時代にこの落語を演じましたが、ここの描写だけはいつも顔が赤くなったものです。
・・・人の女房と 枯れ木の枝は、登りつめたら 命がけ・・・
いつの世も、一緒です。
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この際、元モーニング○○娘。の矢口ですとかってボケてみるのも・・・ありじゃないですよね~。