2011/03/28| 七福萬来
長屋の花見
3月ももうすぐ終わりというのに、寒い日が続きます。
ただ、先週熊本へ行くと桜の花がチラホラ咲いていました。
・・・春は来ている。・・・
東日本大震災という未曾有の災害があり、春を感じる余裕がありませんでしたが、桜の花を見るとしばし季節感に酔いたい気分になります。
落語に ”長屋の花見” という噺があります。
貧乏長屋の連中が花見に行くのですが、貧乏なのでお酒・お弁当をもって行くことができません。
でも何か持って行かないと格好つかないので、お酒の代わりにお茶け(お茶)を持って行き、お弁当の中身は卵焼きの代わりに沢庵(たくあん)を持って行きます。
そして、酔った振りをして花見を楽しむストーリーです。
なんともナンセンスな落語ですが、日本人ならではの噺でもあります。
どんな環境でも、花見を楽しみたい、春を喜びたいという気持ちがこの落語を誕生させたのでしょう。
この落語、水にお金を出して買わなければならない今の時代には、少しミスマッチしているところもあります。
どこがミスマッチかと言うと、お酒や卵焼きが高価なので、お茶や沢庵(たくあん)を持って行くのですが、お酒よりもお茶の方が高かったり、卵焼きよりも沢庵(たくあん)の方がはるかに高価だったりする現代になっているのです。
なのですが、花見を楽しもうとする趣向は現代にも通じます。
「卵焼きを取ってくれ。いや尻尾の方は嫌だよ。」
このセリフたまんないです。
春はすべての人にやってきます。
花見も多くの人が楽しみにしているでしょう。
東日本大震災は、戦後最悪の自然災害でしたが、せめてこの春は戦後最大のお花見大会をしたらどうでしょう。
避難所での生活を余儀なくされている人たちに、政府がお酒やお花見弁当を振る舞い、日本全体で春を楽しもうという計画です。
もちろん桜前線に伴い、お花見も北上していきます。
芸能人やミュージシャンも参加し、政治家も赤ら顔になり、日本全国桜を楽しむんです。
不謹慎でしょうか?
せめて、このぐらいの事をしたいじゃありませんか。
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