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帳尻合わせ

前回のブログ『心から・・』を読んだ取引銀行マンが推理を立ててきました。

伝票を失くしたのを理由に食事代をタダにした飲食店のスタッフのことです。

「飲食店のスタッフは帳尻を合わせたのでないでしょうか?」

銀行マンの推理はこうです。

1.   注文を受ける時にタッチパネル式の端末を使っていたということは、注文履歴は残っているはず。

2.   それにもかかわらず、強い意志を持って飲食代をタダにするのには別な理由があるのでは?

3.   別のお客さまに河北社長分の伝票がまぎれ込み、支払いがすでに済んでしまったのでないか?

4.   二重に貰う訳にいかず、帳尻を合わせたのでないか?

考えれば考えるほど、銀行マンの推理は、帳尻があってくるような気がする。

ちなみに 『帳尻』 という言葉を調べてみると、1.収入と支出が合致する。 2.物事のつじつまが合う とある。

「さすが銀行マン。」と、ほめると、「銀行では帳尻合わせはありえませんけどね。」と銀行マンはいう。・・・しかしあることを思い出していた。

数年前の事、ある銀行のご担当者が契約更新書類を持ってきた。

「ここでいいの?」「ここに書くのね?」 と、確認をしながら同じような書類に署名、押印を繰り返しました。

「ここは違うんじゃないの?」という箇所にも 「ここでいいです。」と担当者。

そして最後にウチで用意した収入印紙を貼り、割り印を押して完成です。

翌日、その担当者が書類に不備があったので書き直してほしい再びご来社。

間違った箇所は、私が「ここは違うんじゃないの?」と指摘したところが、やっぱり違っていたのです。

「ほらみろ。ちゃんと確認しないから無駄足踏むんだよ!」と、冗談交じりにそんな会話をしていたら、

「じゃあ、収入印紙をお願いします。」と言ってきた。

「おいおい、あなたがここに書けっていったのに、何でウチがまた収入印紙を用意しなきゃならないんだ。」って言ったら、

「この書類に貼る収入印紙はお客様が用意するもんなんです。」と一点張り。

おそらく収入印紙の帳尻が合わなくなるのが嫌だったのでしょう。

そんなことを思い出しながら 

「確かに銀行は帳尻合わせをしませんよね。でも帳尻合わせをさせる場合はありますよ。」 

と口から出ようしましたが、場の帳尻合わせのために呑み込こんだのでした。

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