2012/11/20| 七福萬来
R-18
・・・しまったぁ。本を入れるの忘れたぁ~・・・
出張に行く時は、必ず小説をバックに入れておくのですが、それを忘れてしまったのです。
入れておいたからといって、必ず読むわけでないのですが、ないとなると無性に読みたくなるのです。
JR新大阪駅構内にある本屋に入りました。
選考のポイントは、本の厚さ・・つまりページ数です。
すでに読みかけの小説が家にあったので、さっくっと読める本がいいかなと思ったのです。
・・・官能小説でも読んでみるか・・・
そんなことを思いつき、並べている棚をチェックしましたが、”女教師 卑猥な○○” とか ”禁断の××” とか タイトルが露骨だし、装丁がエロ過ぎる。
さすがに朝っぱらから、レジに持っていく勇気がありませんでした。
ついでに感じた事は、官能小説コーナーがあるということは、ニーズがあるということなのでしょう。
そして文庫本コーナーへ行き、何気に手にした ”ふがいない僕は空を見た” というタイトルの文庫本。
帯符には、≪R-18文学賞受賞≫ ≪山本周五郎賞受賞≫ と書かれています。
・・・R-18 と 山本周五郎?何で??・・・
著者は ”窪美澄” さんという女流作家で、装丁は、さわやかで青春小説っぽいイメージ。
この本読みたかった。というわけではなく、著者を知っていたわけでもありませんが、何かに惹かれるようにそのままレジへ。そして電車へ乗り込み、早速読み始めました。
未完成な男子高生と主婦の浮気・・いや不倫?の話から物語はスタートします。
そこには ≪R-18文学賞受賞≫ というのが納得できるほど、露骨な性描写がありました。が・・、それがいやらしくなく、共感できる・・いやそれとはまた別な感情が芽生えてきたのです。
第1章、第2章・・と物語りは進行していきますが、章ごとに主人公が変わっていくのもこの小説の特徴で、新鮮に感じました。
最後のページを読み終えた時には、≪山本周五郎賞受賞≫ も納得し、ついつい涙が流れてました。
人には決して言えない過去があり、宿命がある。何かを背負って生きているから痛みや喜びがあることを教えられた小説でした。
ちなみにこの小説は、田畑智子さん主演で映画化され、今週から公開されているそうです。
≪R-18指定≫ですが、原作同様、監督も女性。・・・気になります。
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