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髪結いの亭主


220px-Barberspole.jpgあれは、私が20歳ぐらいの秋だったでしょうか?

学生だった当時住んでいたアパートの近所にある散髪屋(床屋)へ行きました。

何度か通っているところで、若い夫婦でやっている店です。

今日はどういう訳だか、奥さんしか店にいなくて、一人でカットから洗髪・髭剃りまでしてくれました。

他にお客さんは誰もいません。

そんな中、シートを倒して、髭を剃ってくれていた時。

・・・今日はずいぶん顔が近いな・・・

目を閉じていても、奥さんの顔の近さは感じます。

・・・何で今日は静かなんだろう・・・

・・・ん?何かいつもと違うぞ?!・・(くんくん)いい匂いだなぁ。・・・

ほのかな石鹸というか、薄化粧の匂いがしてきました。

・・・まさか奥さん、オレの事を・・それはマズイよ。・・・

感じる予感に、勝手にそう思っていたら、 

『グゥ~』

静寂の中、奥さんのお腹が鳴りました。

私は聞いていないふりをして、そのまま目を閉じていたら、また、

『グゥ・・・グゥ~ルル』

先程より長めに、でも小さめにお腹が鳴りました。

それでも私は 「これは聞いてはいけないんだ!」 と、聞こえていないふりをしていました。

おそらく奥さんも予想もしない展開に戸惑っているんだろう。と思ったら、聞こえてて、聞こえないふりをしている自分も恥ずかしくなってきて・・、でもまたお腹は鳴るし・・。

静寂の中、髭剃りが終わり、シートを起こして、鏡に映っている自分を見ると顔が真っ赤になっていました。

鏡越しに奥さんの顔を見ると、やっぱり真っ赤になっていました。

大人になりきれていない私は、・・・助かった・・・  という気持ちでいっぱいでした。

妄想と思いがちですが、この時は少々危険な感じでした。

その後、ご主人がいるのを確認してから店に入るようになりましたが、あの日のようなことはありませんでした。

普通だったら、店を変えてしまうんですが、何故そうしなかったのかは説明がつきません。

フランス映画っぽいエピソードです。

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