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(日本語) 内子(うちこ)紀行

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愛媛県喜多郡内子町(うちこちょう)は、愛媛県外の方にはあまり知られていないかもしれません。

松山市から九州方向に向かって約50キロの位置にあります。

10年前に平成の大合併により、旧内子町、五十崎町(いかざきちょう)、小田町が一緒になって 新・内子町になりました。

その新・内子町合併10周年記念事業があり、そのイベントに参加させていただきました。

なぜ今治市民の私が参加したかというと、その記念式典のイベントとして立川志の輔師匠がお招きされたから。

「内子町に行くから、来ない?」 志の輔師匠は愛媛公演時には必ずお声をかけてくれます。

松山空港で志の輔師匠をピックアップし内子に到着したのが、公演前日の午後5時前。

宿に荷物を置いて、さっそく内子町の町歩き。

旧内子町の町並みは、幕末から明治初期に建てられた住居・商店が立ち並んでいて、歴史が息づいています。

しかも、そこにまだ住んでいるところがスゴイ!

さらにスゴイのは、志の輔師匠は毛糸帽子とマスクをしているにもかかわらず、すれ違う町の人は 「こんちには」 と声をかけてくる。

志の輔師匠が内子町に来ることを知ってのことと思っていましたが、実はそうではなく、誰でも挨拶をしてくる風土だったのです。

その夜は内子町役場のみなさんにもてなしを受けたのですが、その席に狂言師の茂山千三郎さんもいらっしゃいました。

茂山千三郎さんのお父様茂山千作さんは人間国宝。おじい様も人間国宝。なので、千三郎さんもそのうち人間国宝になるやもしれません。

何故、茂山千三郎さんが内子町にいるかというと、内子町の小学生に狂言を教えているとの事。

翌朝、志の輔師匠と一緒に千三郎さんが小学生に狂言を教えてるところを見学させてもらいました。

千三郎さんの声に続き、子供たちの屈託のない声が響く教室は、目から熱いものがこぼれそうになるぐらい素晴らしい風景でした。

来年秋に築100年を迎える芝居小屋・内子座の舞台の上に子供たちが立つのだそうです。

これでこそ地方教育であり、道徳教育です。

狂言の台本は千三郎さんが作るのですが、仲の良くない3人の話らしく、合併した旧内子町・五十崎町・小田町を揶揄しているとすればこれは見てみたいじゃありませんか。

1泊2日の内子町に、伝統は守るだけでなく、現代に生かす新しい発想力が町と町民にあることを発見しました。

志の輔師匠が1時間の公演のためにわざわざ内子に来られた理由がここにあるともいえます。

私も今治市も頑張らないと・・。

公演が終わって、内子町の町家で志の輔師匠を見送って、駐車場に向かって歩いていた時です。

「こんにちは」

すれ違った10歳ぐらいの男の子は私に挨拶をしてきました。

あわてて私も 「こんにちは」

町並みも、食事も、人も、そしてあいさつも 気持ちのいい内子町。

泊まるとよくわかります。

ぜひ一度お越しください。

コメント一覧

  1. 河北泰三 says:

    コメントありがとうございます。
    ぜひまた行ってみてください。
    中学生の視線とはまた違った発見と出会いがあると思います。

  2. kiki says:

    私も内子の街並みが好きで、中学生の頃家族でドライブに行きました!同じ愛媛県でもこんなに雰囲気が違うのかと思ったのを思い出しました。(^^)

  3. 河北泰三 says:

    コメントありがとうございます。
    これを機に私も小さな勇気を持つことができそうです。
    背中を押してくれたお言葉に感謝です。

  4. かおりん says:

    なんだかとても清々しい気分にさせてくれる紀行文ですね。今治大好きな私としてもぜひ、人も街も自然も気持ちの良い街、今治へと大きく発展するといいな。文化や芸術の継承もそこに住んでいる人たちが生活しなが継承することに意義があるのですね。何か小さなことでもやれることがみつかるといいな、なんて少し思いました。

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