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(日本語) いつかは中華丼

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「たまには昼メシでも一緒にどう?」

ちょうどお昼時だったので、その銀行マンとお昼をご一緒することになりました。

「おいしい中華そばの店があるので、そこへ行ってみようか」

「いいですね。」

そのお店は、今治市のはずれにある漁師町の片隅にあります。

地元の人でもあまり知られていない小さな食堂です。

それでも昼時になると、常連客が店の外に並んでいますが、今日に限って店は空(す)いていました。

・・・ラッキー!・・・

「そばと焼き飯を2つづつお願いします。」 「そば、焼き飯 2つづつ!」

店内に響きわたる声で、若奥さんが厨房にいるご年配のお母さんに言います。

「あいよ!」

客に注文の確認をさせるのと、厨房に指示するのと一緒なのです。

ざっくばらんというか、漁師町にある食堂らしい気質というか・・いい感じです。

銀行マンと他愛ないおしゃべりをしていると、注文の中華そばと焼き飯が出てきました。

昔ながらの中華そばは、これまた昔ながらの器に入っています。

しなちくと鳴門(はんぺん)にきざみネギが上にのっかっています。

そして、わきに赤い福神漬がのった食堂の焼き飯。

「どうだ!うまいだろ。」 「はい!おいしいです。」

「実はこの店には裏メニューがあるんだよ。」

「裏メニューですか?」

「常連でないと出してくれない中華丼なんだ。・・実はオレもまだ食った事がないけどな。」

そうなんです。食べてみたいけどまだ私は常連客でないので、たのめないのです。

今日こそは!と思いながらも、「あんたには出せん!」の一言が怖くて言葉が出ないのです。

勘定を払うと若奥さんは 「ありがとう」 と言って濡れた手で釣銭をくれます。

店に入ったら、「いらっしゃい」 でなく、「あら、いらっしゃい!」と言われるその日まで、中華丼はお預けです。

コメント一覧

  1. 河北泰三 says:

    コメントありがとうございます。
    君もトライアルしてみては?

  2. 青い銀行マン says:

    先日はご馳走様でした☆
    中華そばも焼飯も美味かったです。
    中華丼にありつけた暁には、ぜひご一報くださいね。

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